多くの人は、「食べかすを取る為に歯磨きをする」と思われているようですが、本来の目的は「歯垢(プラーク)を取ること」なんです。
歯垢とは細菌の塊で、まだやわらかい状態です。
これを柔らかい状態で取り除き、歯石、歯周病、虫歯などを引き起こさないことが大切なのです。
一番重要なのは、「就寝前の歯磨き」です。
寝ている間は、起きているときに比べて唾液の分泌量が極端に減少します。
唾液には洗浄作用、細菌繁殖抑制、粘膜保護などの作用がありますが、寝ている間はそれが行いにくいのです。
そのため、細菌が増殖しやすく、口臭の原因となる虫歯や歯周病などの病気を引き起こしやすくなります。
これを防ぐには、就寝前にしっかりと歯磨きを行い、細菌の数を減らしておくことがとても大切なのです。
この時間だけは10分以上かけて、丁寧に歯磨きをすることをオススメします。
ブラッシングはもちろんのこと、デンタルフロスなどで歯の間もケアできると非常に良いです。
次に重要なのは、「起床時の歯磨き」です。
ここでは、寝ている間に増えてしまった細菌を減らすために歯磨きをします。
実は、歯垢は歯に害を与えるまでに約24~48時間の時間が必要なため、就寝前にきちんと歯垢を取り除ければ、朝の歯磨きは2~3分ブラッシングをするだけで十分なのです。
口臭が気になる場合には、もちろんそれ以上の時間をかけて丁寧にケアしてもOKです。
食後の歯磨きというのは、朝や夜に正しく行えていないブラッシングの補足の意味があります。
今までは「食直後に磨いた方がいい」と言われてきましたが、現在の歯科学では「食後30分程度で磨いた方がいい」という新常識が出て来ました。
これは、日本における食の欧米化が進み、酸性の飲食物が増えたためです。
口の中が酸性の状態で歯磨きをすると、歯のエナメル質が削れてしまいます。
お酢や柑橘類、スポーツ飲料など酸性の飲食物は意外とたくさんありますが、毎回自分が食べた食事が酸性かどうか見分けるのは難しいですよね。そこで、食後の歯磨きは30分後に行うのが安全策とされているのです。
口臭対策に非常に大切な歯磨きですが、意外と大人になっても正しくブラッシングできていない人が多いのが現状です。
そこで、効果的にブラッシングをするための方法を伝授したいとおもいます。
歯ブラシの使い方
鉛筆を持つようにして握り、軽く圧がかかる程度の力で優しく磨きます。
圧が強すぎると歯や歯茎を傷つけてしまい、菌が繁殖しやすくなるので注意が必要です。
ブラシはできるだけ細かく動かすのがポイントです。
歯の表面の磨き方
歯ぐきが健康であれば、歯ブラシを直角にあてます。
歯ぐきが弱っている場合は、45℃くらいの角度をつけましょう。
奥歯の噛み合わせ部分
噛み合わせ部分は凸凹しており、歯垢が溜まりやすい場所です。
1本ずつ丁寧にブラッシングしましょう。
奥歯の裏側
歯ブラシを少し斜めに入れて、前後に細かく動かします。
利き手側は磨き残しが多くなりますから、注意しましょう。